以前「気になっている」とお話しした、巷で賛否両論なクランクケース内圧コントロールバルブ。
簡単にいうと、その名の通りクランクケースの内圧を「逃がし」方向に一方通行にし、負荷を減らしてエンジンのフリクションをスムーズにするもの。クランクケースからエアクリーナーボックスに繋がっているブリザーホースの中間に挿入するだけの簡単接続。
この製品はNAGとAELLAから同等品が発売されているが、どれも20000円〜26000円と大変高価。
そしてそのインプレッションはマチマチで、「すばらしい」や「特に効果無し」など車体や乗り手によって体感がバラバラ。
んーーこのギャンブルには
乗れん!
ということで!
ブログにコメント頂いた#9さんに教えてもらった
KTM純製品で試してみることに。
アルミ製。基本構造は同じで、お値打ちな、3900円〜4000円。
値段=性能かどうかはわからない。でもこれでなんとなくわかるだろう。
この製品の装着で
最大限期待できるとされる効果とは、
1.始動性の向上
2.シフトフィールが軽くなる
3.エンジン回転のスムースな吹け上がり
4.過度なエンブレの軽減
5.高回転時のエンジンストレスの軽減
らしい。
デメリットとしては、
ツインのドコドコ感が薄れる らしい。
で、装着。作業は写真に収めていませんが、簡単。
ブリザーホースのエアクリーナー側の縦になっている真ん中をハサミやカッターでカットして、このバルブの二重線がある方を上に(空気が抜ける方をエアクリーナー側にむけ)装着するだけ。
重力の関係上、なるべく本体を垂直に設置することで弁の抜けをスムーズにする。らしい。
このKTM製品のパイは14.5パイなので、ボンネビルの14パイより少々大きめ。少しばかり無理矢理に突っ込みます。結構大変。「これ、入るのか?」と思うくらいきつい。ねじ込む力を入れるために、ホースのエアクリーナー側を外し、差し込む双方のホース口にシリコンなどを吹いた方がねじ込みやすく作業は早い。
装着後は、本体はサイドカバーに隠れます。
早速実走。
上記の「期待できる効果別」に個人的なインプレを。
1.始動性の向上
インプレ:
はい、確かにセルの回転負担が減っています。セルが回っている時間が以前より0.5秒〜1秒短めでエンジンが始動。これがその効果というものなのかわかりませんが、一応、実感あり。
2.シフトフィールが軽くなる
インプレ:
では走り出します。フツーに1速から4000rpmほどまでひっぱりシフトチェンジ。
カチャっと
「。。。。」わかりません。いくらか走ったけど、ほぼいつもと変わりません。。。
3.エンジン回転のスムースな吹け上がり
インプレ:
少し高めに回転を上げてみます。4000,5000.5500,スムースな吹け上がり。。。
そう言われれば、そうかもしれない。。でも「今日はエンジンちゃんの調子がかなり良い」くらいなものかなあ。バルブ有り無しの車両を交互に乗り比べれば差がわかるのかもね。。。
4.過度なエンブレの軽減
インプレ:
。。。。そうでもない。まあ、もともとスプロケを変えてハイギアードにしてあるので、そんなにエンブレがきつくない。なので体感と呼べるほどのものは無い。
5.高回転時のエンジンストレスの軽減
インプレ:
そのまま高速道路へ入ります。
料金所を抜け、意識的に回転数をいつもより上げてシフトアップしていく。
1-2-3速で
100kmほどまで上げたところで、
ん?
なんかいつもと違うぞ?
そのまま4速へ上げる。更にアクセルをひねる。
当然、車速はグングンあがっていく。(数字は書かないけど・・・)
いつもなら、5速で「身体が力まずに巡航できる速度」の限界は「こんなもんなかな」というところを、今日は4速で越える。(というか、すっかり5速かと思っていたらまだ4速だった)
5速にあげ、更にアクセルを開ける。以前なら「高速での回転の伸び率の最初の壁」としていた速度で、その振動やエンジンの「ギンギン具合」に耐えられず、アクセルを戻していたところを、いとも簡単に越える。気がつけば、いつもよりハイペースで巡航している。
バイクが速くなったというより、高速域連続走行でのフリクションロスが軽減されて「扱いが軽くなっている」感じ。モタモタしてない。ハッカ飴を舐めたみたいな(笑)
エンジ性能向上とまでいかなくとも、エンジンのフリクションロスの軽減によって体感ストレスが落ち着いた事(精神的に)で、プラス10kmくらいいける。
とはいっても、フリクションロスってのも、この差を知らなきゃ知らないで「こういうもの」っていう程度のものだけどね。
これは
高速域で有効だね。と思った。4000円でこれなら納得の域。
例えるなら、
「安物ジェットヘルメットから最新のフルフェイスに変えて高速を走った」くらいかなあ。
あくまでKTM製品流用では、一般道の低回転時では「言われないと気がつかない」くらい。
特にバイクに何か特別な物を追加したような体感は無いように感じる。
しばらく交換していなかったプラグを、新品のプラグに変えた程度、の体感だった。
で、デメリットとされるツインのドコドコ感減少ってやつですが、僕には全然変わらないと思った。
ドコドコ感ってのを「フリクションロスによるギシギシ感」も含めるのだとすると、確かにそれは減少しているかもしれないけど、ピストンとクランクの動きからなるドコドコ感は何も変わらなかった。これも人によって体感別れますね。良く言う、「弁が開け閉めするテケテケ音がする」というのは、あまり聞こえない。エンジンに耳を傾ければ、それらしき音?は聞こえるが、前からあった音のような気もするし。全く気にならない。
もちろん、NAGやAELLAの製品では違う効果があるのかもしれません。原理は同じでも、弁の蓋のカタチや内径は少しは違うだろうし。NAG製品はその効果を3段階にわけて製品化しているし。
しかし、26000円とかで、このKTM製品と同じ程度の効果なら、正直言って費用対効果としては。。。。
今回のこのKTM純正の内圧コントロールバルブは、値段と効果には満足。
高速域での効果は有り!と見た。取り付けて決して損はないように個人的には思う。
あくまで、
「それなりに」だけど。
フィーリングや高速域で特に現状に不満がないなら、別に付けなくてもいい品物かと。。。
Myボンネの場合、これでスプロケ交換、リアサス交換、と併せて高速ツーリングが更に快適になったかな。でも結局は強い向かい風が吹けば、自分が勝てずにスローダウンするんだけど。
ちなみにこの製品全般にですが、クランクケースからエアクリーナーへ抜ける僅かなオイルの通り道なのでメンテフリーではない。
時々は外して掃除が必要。エアクリーナーと同じですね。
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